1820年 ジョージ3世クラウンプルーフ試鋳銀貨(NGC/PF65)

<コインデータ>

名称:ジョージ3世クラウンプルーフ試鋳銀貨
発行年:1820年
発行国:イギリス
NGC鑑定済み枚数:24枚
グレード:PF65 (最高鑑定)
市場価格:250万円~
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<アンティークコイン概要>

ジョージ3世治世のイギリスで発行された、クラウンプルーフ試鋳銀貨です。
鑑定機関NGCでPF65の高評価を受けており、同種のコインでは最高鑑定品になります。

表面にはジョージ3世の威厳ある肖像が、
裏面には英国の紋章と、中央部に聖ジョージの竜退治が描かれています。

Thomas Webb、George millsという2名のコインデザイナーの合作です。
1817年に発行された、ベネディット・ピストルッチ作のコインへのリスペクトが感じられつつ、本品のジョージ3世の肖像がややハンサムになっているように思えます。

裏面では国花・紋章の盾・王冠というトラディショナルなデザインに、当時最新の聖ジョージの竜退治を組み込んで調和させた、挑戦的ながら完成度の高いものとなっています。
当時のロイヤルミントの高い技術力が伺える逸品です。
是非一度ご覧頂きたく存じます。

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<王室きっての苦労人、ジョージ3世>

ジョージ3世はハノーヴァー家3代目のイギリス国王で、1760年から1820年の60年間にわたる在位を務めました。

先々代のジョージ1世、先代のジョージ2世は英国王というよりも「ハノーヴァー家の当主」として英国を統治しており、国民からの不満が噴出していました。
ジョージ3世はそれを鑑みて、即位演説の際に「この国で生まれ、教育を受けたわたしは、イギリスの名を誇りとする」と、英国王として国を治める事を宣言します。
私人としての立場よりも英国王であることに努め、質素倹約な暮らしぶりからは「農民王」という愛称がつけられ、理想的な王として高い国民人気を誇りました。

しかし世界の情勢とスキャンダラスな身内たちの影響か、晩年には心労から体調を崩してしまいます。
治世初期のフランス王国との七年戦争に始まり、アメリカ独立戦争、ナポレオン帝政との戦いなど在位期間中にイギリスは多くの戦争を経験します。

一方王室では、王家の面々とその側近たちが先王までの生活から抜け出せず、彼の15人の子供たちは次々とスキャンダルを生み出してしまいます。
後継となる息子ジョージ4世の放蕩癖には特に手を焼いており、晩年まで後継を譲ることに不安感を抱き続けていたといいます。

彼の不安は的中し、ジョージ4世の治世は王室の放蕩が民衆に非難されたものの、その後には英国最高の時代、ヴィクトリア朝が訪れます。

ジョージ4世の放蕩ぶりをヴィクトリア女王が反面教師にした末の結果・・・なのであれば、ジョージ3世もきっと浮かばれたことでしょう。

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