ポルトガルのアンティークコインについて
歴史を遡ると、ポルトガルはかつて世界を席巻した「大航海時代」の主役でした。
この栄光の時代に生み出された「黄金の遺産」と称されるポルトガルの歴史を深掘りしながら、アンティークコインの魅力について解説していきたいと思います。
ポルトガルの歴史は、ヨーロッパの中でも特に古く、独立国家としての誕生は12世紀にまで遡ります。そして、その貨幣制度もまた、王国の発展とともに変化しながら、世界へと広がっていきました。
12~14世紀:ポルトガル王国の誕生と貨幣制度の確立
1143年、ポルトガルはカスティーリャ王国(現在のスペイン)から独立し、アフォンソ1世が初代国王となりました。この時代に初めてポルトガル独自の貨幣「ディニエロ(Dinheiro)」が発行されましたが、銀の含有量が低く、実用的とは言えませんでした。
15~17世紀:大航海時代と黄金の貨幣「クルザード」
15世紀、エンリケ航海王子の指導のもと、ポルトガルは世界探検へ乗り出します。1498年、ヴァスコ・ダ・ガマがインド航路を発見し、ポルトガルはアジア貿易を独占し、交易の発展に伴い、金貨「クルザード(Cruzado)」が発行され、貿易の要として活躍しました。
クルザードは、十字架(Cruz)がデザインされていることから名付けられました。まさに「キリスト教の力で世界を制覇する」というポルトガルの野心が込められていたのです。
18~19世紀:ナポレオン戦争と経済の混乱
1807年、ナポレオンの侵攻を受けたポルトガル王室は、ブラジルへ亡命。その後、1822年にブラジルが独立し、ポルトガル経済は打撃を受けます。この時代、銀貨「ミルレイス(Mil Reis)」が流通しましたが、インフレの影響で価値が安定しませんでした。
1910年、王政が倒れ、ポルトガル共和国が成立。1928年、経済安定のため金本位制を導入し、「エスクード(Escudo)」が発行されました。
*2002年、ポルトガルはユーロを導入し、エスクードは完全に姿を消しました。
ポルトガルコインの独自性
ポルトガルのコインには、歴史の中で培われた独自の美しさと価値があります。
ポル王族の肖像や海洋探検のモチーフが刻まれており、芸術品としての価値も高く、例えば、16世紀に発行された「クルザード金貨」には、ポルトガル王国の十字架が精緻に彫刻されており、まさに大航海時代の象徴といえるでしょう。
また、スペインやイギリスと比べると発行量が少なく、アンティークコイン市場でも希少価値が高い傾向にあります。特に、金貨や初期の銀貨は高額取引されることが多いです。
さいごに
ポルトガルのアンティークコインは、大航海時代の夢と栄光が詰まった歴史的な遺産です。そのデザインの美しさ、希少性、そして投資価値から世界中にコレクターが存在しています。
まずは19~20世紀のコインからチェックしていただき、遡るように歴史の深みへと足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。ポルトガルのコインが持つ、時代を超えた魅力を是非ご賞味ください。