スウェーデンのアンティークコインについて
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スウェーデンは、北欧の大国として独自の歴史を築き、長い間ヨーロッパの政治や経済に影響を与えてきました。その歴史とともに発展してきたスウェーデンの貨幣は、時代ごとの変遷を映し出しております。スウェーデンのアンティークコインは、先日公開したデンマークのコインと等しくバイキング時代から始まり、中世、帝国時代、そして近代へと至る中で、多くの変化を遂げてきました。
貨幣を使わずとも栄えたバイキングの経済
スウェーデンの貨幣の歴史は、バイキング時代(8~11世紀)にまで遡ります。当時のスウェーデンは、現在のデンマークやノルウェーとともにバイキングの一部として、交易や略奪を行いながら強大な影響力を持っていました。
しかし、この時代のスウェーデンでは独自の硬貨を発行しておらず、交易の際には銀のインゴット(銀塊)や、アラブ世界や西ヨーロッパから流入した銀貨が用いられていました。特に、アラビアのディルハム銀貨が多く発見されており、バイキングがシルクロードを経由した広範な交易網を持っていたことがうかがえます。
最初のスウェーデン硬貨と貨幣制度の確立
スウェーデンが独自の貨幣を発行し始めたのは、12世紀頃のことです。最初に登場したのは、銀貨「ペニング(Penning)」 で、これは当時の西ヨーロッパで広く使われていたペニー貨に影響を受けたものでした。
14世紀に入ると、スウェーデンはデンマーク・ノルウェーとともに「カルマル同盟(1397年)」を結成し、北欧全体が統一される時代に突入します。この間、貨幣制度も共通化され、北欧諸国で共通して使われるコインが発行されるようになりました。しかし、スウェーデンは1523年にグスタフ・ヴァーサ王のもとでカルマル同盟から独立し、独自の貨幣を発行する時代が始まります。
戦争がもたらした貨幣の進化
16世紀から17世紀にかけて、スウェーデンはヨーロッパの強国へと成長しました。特に、グスタフ2世アドルフ(在位1611~1632年) の統治下では、スウェーデンはバルト海の覇権を握り、「スウェーデン帝国」として黄金期を迎えました。
この時代のスウェーデンの貨幣には以下のような特徴があります。
* ドゥカート金貨の発行:
スウェーデンの経済力を象徴する金貨で、ヨーロッパの交易で広く使われました。
* プラッタ銅貨の登場:
スウェーデンは当時、ヨーロッパ最大の銅生産国であったため、独自に巨大な銅貨「プラッタ(Plåtmynt)」を発行しました。これらは大型の四角形の銅貨で、最大で19kgの重さを持つものも存在しました。
スウェーデン帝国は、バルト海沿岸の領土を拡大し、三十年戦争(1618~1648年)にも参戦。しかし、度重なる戦争により財政が悪化し、貨幣の価値も変動し続けました。
ヨーロッパ初の紙幣と貨幣制度の改革
スウェーデンは、1661年にヨーロッパで初めて紙幣を発行した国としても知られています。これは、「ストックホルム銀行」による試みでしたが、銀貨と交換できない紙幣が大量に発行され、最終的には信用を失って破綻しました。
18世紀後半には、スウェーデンは「ロシアとの戦争」や「フランス革命の影響」を受け、貨幣制度の改革を進めました。特に、グスタフ3世(在位1771~1792年)の時代には、リクスダラー銀貨が発行され、スウェーデンの標準的な通貨単位として確立されました。
さいごに
スウェーデンのアンティークコインは、北欧ならではのデザイン、特に世界的にも珍しい四角い銅貨「プラッタ」は、そのユニークな形状と材質からスウェーデン貨幣の象徴とも言えるでしょう。
バイキング時代の交易を物語る銀貨から、スウェーデン帝国の黄金時代を象徴する金貨、そして世界初の紙幣の発行など、スウェーデンの貨幣史は常に進化し続けてきました。
この機会に是非、北欧の歴史が刻まれた特別なコインをご検討いただけますと幸いです。
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