1937年 エドワード8世 ”ファンタジー”エラーコイン(PCGS/SP64BN)

英国王歴代最短在位のエピソードで知られる、エドワード8世を描いた銅メダルです。鑑定機関PCGSでSP64BNの評価を受けた1枚です。鑑定評価でBNというと聞きなれないかもしれませんが、銅素材特有の評価基準で、発行当時と比較して輝きが落ち着いたものにつけられます。

表面には”戴冠する”エドワード8世の肖像が、
裏面はなにも描かれず、刻印無しの状態になっています。

最大の特徴は裏面が白紙状態であることで、製造の過程でのミスによって刻印がされなかったものと考えられます。刻印の際に誤って2枚分のコインが重なり打たれることで、片方の面がまっさらなコインが誕生します。「Uniface」と呼ばれるエラータイプになります。

現代の流通貨幣でもエラー硬貨はごくまれにみられますが、収集対象としてはむしろ好まれる傾向にあります。通常であれば失敗作とされるものほど貴重に扱われるのは、コイン収集の面白い側面と言えるかもしれません。

表面の肖像も美しく、自然な風化を経て王冠などの一部だけが複雑な色合いを醸し出しています。戴冠式を経ずに退位したエドワード8世の、幻の王冠が輝く素敵なコインです。